君が好き
俺が生きるうえでこれ以上の意味はなくたっていい




    君が好き




「貴方が好きです」




こう言う度にヒロさんは赤くなって目を逸らす
それは拒絶ではなく
恥ずかしさからくる行動だと知ってから
貴方のことがもっと好きになりました





今日はバイトも病院も休み
それでもヒロさんは大学があって
独りで留守番
昼までには家事も終わって
それから特にすることも無くて
1日ゆっくりとすることが出来た




ヒロさんのいない1日は長い
ヒロさんと過ごす1日はとても早いのに
こういうときに感じる





どれほどヒロさんのことを好きかということを




病院にいる間やバイト中はその作業に没頭すれば良いから
そこまで強く感じることが無いが
独りになると痛感する




『少し遅くなる』




ヒロさんからのメール
めったにメールなんてもらわないからうれしいけど
あんまりうれしい内容じゃない




(迎えにいったらどんな顔するだろう)





『何時ごろになりそうですか?』




『多分7時過ぎには家に着く』




『わかりました』




(7時ってことは後40分してから家を出ればいいか)





「野分?!どうしたんだよ、何かあったのか」
「いえ、一緒に帰ろうと思って」
「一緒に帰るってお前、今日は家にいたんじゃなかったのか」
「いましたよ」
「…わざわざ迎えに来たのか」
「はい。いけませんか?」
「いけなくねぇけど」




ほら、そうやって恥ずかしそうに目を逸らす
恥ずかしがっているときのヒロさんのクセ
そういう一面を見るたび嬉しくなる




「帰りましょうか」
「あ、ああ」




外は月も出ていて
一緒に歩く道は少しだけ明るくなっている
帰る道は同じ
帰る家も同じ
今見ている景色も…
それだけで俺は嬉しい




貴方が好きです
家で独りで待っているときに思ったこと
貴方を迎えに行くときに思ったこと
暗い部屋で待っているときに思ったこと





独りでいると強く思う



二人でいるとより強く思う





貴方が好き



―――――あとがき―――――
野分はヒロさんのことが本当に好きなんです。
ヒロさんは恥ずかしくなると目線を合わせてくれません
怒るときは目を見て怒ります
(犬の)躾の基本ですから

君が好き Mr.Children




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