ウサギさんが仕事しているときって暇…





     てんてーはお仕事中





今ウサギさんは仕事中で、書斎に引きこもってる
そしてリビングにお座りになっていらっしゃる相川さんは
…・・・・…既に鬼の形相…





『先生…何でまだ半分も終わっていらっしゃらないんでしょうか』
『不思議だな』
『………。
 さっさと書斎篭って仕事しやがれ、何でてめぇはいっつもいっつも締め切りまでにできねぇんだよ!!!!』



まさしく修羅場…
相川さんのこの豹変振りに未だに慣れない…


「あ、相川さんコーヒー置いときますね」
「ありがとう」
「ウサギさん遅いですね」
「全くよ!!何でいっつもいっつもあいつは予定通りに仕事をこなしてくれないの?!?!
 あいつのせいで私は編集長に睨まれてんのよ?
 『相川君、宇佐見先生の小説はまだかね』
 『す、すみません、もう少しかかるみたいで』
 『そうか…またか…』
 あのハゲ、私が悪いんじゃなくて先生が悪いんだって言ってんだろ、
 私だって平穏無事に、滞り無く仕事したいっちゅうねん!!!!!」


怖い
怖すぎる
…ウサギさん、仕事きちんとしないとホントにいつか相川さんに刺されるんじゃないかな


「ハッ!ご、ごめんね美咲君、なんでもないからね」
「ハ、ハハハハハ」
「ホホホホホホホ」


…乾いた笑いが…
話題を逸らしたほうが良いかもしれない



「あの、相川さん、今回の仕事ってどんなのなんですか?」
「ん〜?えっとね今回もやっぱり恋愛ものね。」 
「どんな内容なんです?」
「学生と小説家の恋の話でね、今回は続編を書いてもらってるの」
「へ〜、何か珍しいですね。ウサギさんの小説に続編がつくのって」
「そう?」
「俺、あんまり見たこと無いんですけど
 聞いてる限りだと大体一冊で完結してますよね」
「そうでもないわよ」



ーギィィィィィィィィ


一瞬化け物が出てきたんじゃないかと思う…
寝不足で憔悴しきっててボロボロになってる


「出来た…」
「それじゃあ私はこれで、お疲れ様でした先生、次もよろしくお願いします」


「ウサギさん、お疲れさま、ちょっと寝たほうが良いんじゃない?」
「ああ…」
「だ、大丈夫?」
「…」
「ご飯作ってあるけど…、先に寝る?」
「いや、食べる」
「そ、そう」


ご飯は一緒に


「ウサギさん、お疲れ様」
「ああ」
「ねぇ、ウサギさん今回はどんなお話なの?」
「気になるか?」
「うん、どんなの?」
「…ご馳走様」
「って、聞いてる?」
「美咲も食い終わったな」
「へ、うん」
「よし、じゃあ行くか」
「ど、何処に?」
「決まってるだろ、寝室だ!!」
「……ハイ?」


…元気に“寝室だ”って言われるとなんとなく嫌な予感が…


「小説の内容が気になるんだろう?」
「うん、だけどそれとこれと何の……」
「気付いたか」
「ま、まさか…」
「そのまさか、BLだ!!」
「ちょ、へ?学生と小説家…“純愛ロマンチカ”かよ!!」
「実践で内容を教えてやる」
「いらない、気にならない!!」
「遠慮するな、俺が最初から最後まできっちり教えてやる」
「遠慮なんてしてない!!放せ、担ぐな、ってどこに手ぇ突っ込んでんだよ!!!」



ウサギさんが仕事してるときって書斎に閉じこもりっぱなしだから寂しい
でも一番俺が安心して生活できるのかもしれない…



高橋美咲19歳
本日は掃除も洗濯も断念…



―――――あとがき―――――
鈴木さんのときより難しい・・・
今回は反省することだらけ…
ロマンチカはもう色々やっちゃってるから書けないよぅ









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