貴方と一緒にいると
時間が短い

貴方と離れていると
時間が長い

一瞬

永遠





     一瞬の永遠




「ん…もう朝…」


(ヒロさん起こさなきゃ)


寝顔
もう少し見ててもいいかな


(今、6時30分…)


少しだけこのまま


(ヒロさんって寝てるとき結構無防備だな
 …寝てるから当然か)


「ヒロさん」
「ん…んぅ…」


(あ…起きそう)


もう少し起きないで


「ん…野分…」


(あ、起きちゃった)


「おはようございます、ヒロさん」
「ん…おはよ…」


ヒロさんは低血圧
寝起きはボーッとしてて可愛い


「今、何時…」
「6時30分ですね」
「そうか…」
「朝ごはんできるまでもう少しゆっくりしてても大丈夫ですよ」
「ん…起きる」
「そうですか」


…残念


「顔…洗ってくる」


あ、足元ふらついてる
危なっかしいな




ヒロさんは朝に弱い
俺は朝に結構強い
だから俺は大抵ヒロさんより早く起きる


ヒロさんより早く起きたときは
ヒロさんの寝顔を見てる


(見惚れすぎてヒロさん起こし忘れたこともあるけど…)


―ゴツッ



「ヒロさん!?」
「…イタイ…」
「当たり前です、大丈夫ですか?」
「…大丈夫」


頭ぶつけて完全に覚醒
もう少しあのままでもよかったのにな


「顔洗ってくる」
「はい」


(俺も、朝飯作らないと)


「野分今日は夜勤か?」
「はい」
「そうか」


食事中の些細な会話
こういう時間が好き
でも


「あ、やべ、俺行くわ」
「あ、はい」


もうヒロさんの出勤時間
こういう時間は早い


「いってらっしゃい」
「ああ」


行かないで
俺の傍にいて
俺から離れないで


「ヒロさん」
「ん?」


「ンッ…」


一瞬
触れるだけ


「な、馬鹿かお前は、朝っぱらから…」
「すみません」
「謝るときは申し訳なさそうな顔しろ!!
 顔笑ってんぞ。ったく…」


本気で怒ってるわけじゃないんですよね
だって、


「ヒロさん」
「何だよ」
「怒るときは怒った顔しないと駄目ですよ」
「っ…ムカツク、年下のクセに!!」
「ヒロさん、遅刻しちゃいますよ」
「あ゛〜、行ってくる」




一瞬だけだけど
俺はそれが永遠になればいいと願う


一瞬だけだけど
永遠に俺の中に残る貴方の感触



一瞬の出来事が
永遠になる



一瞬だけど永遠に変わる



貴方だけがかけられる
至上の魔法



―――――あとがき―――――
…恥ずかしすぎて爆発しそうな晴和です
ちゅうですよちゅう
初ちゅうシーン!!
…特にこれといった描写もしていないのに
こんなにも恥ずかしい…









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