孝浩
お前と会えて良かった
お前と会っていなかったら


美咲に逢えなかった




     
     贈り物




『もしもし?』
「孝浩か?」
『秋彦?久しぶり』



3日おきにある孝浩からの電話
昔から心配性は変わってない



「美咲ならバイトに行ってて今いないぞ」
『そっか…』
「伝言があるなら伝えるが?」
『いや、美咲は元気かな、っと思って』
「ああ、元気にしてるよ」
『そっか、それならいいんだ』
「そっちこそ元気にしてるのか?」
『ん?こっち?元気だよ俺も、真奈美も』
「そうか」


孝浩に結婚すると言われたとき
平静を装っていた


誰にも悟られず孝浩を祝福してやれたと思っていた
誰にも本心を悟られない自信があった


本当は哀しくて
だけど悟られないように
気付かれないように
今まで通り親友として


だけどそんな俺の思いを
気付いた人間がいた
悟られると思ってなかった


「孝浩」
『ん?』
「ありがとう」


美咲に出逢えたのは
貴方のおかげ


あの日
貴方の誕生日に
俺は貴方から贈り物をもらった


貴方が俺に運んできてくれた
大切な大切な宝物


『どうしたんだよ、急に』
「いや、なんとなく。そうか、真奈美さんと上手くいってるのか」
『ウサギ!』
「ハハハ」
『まったく、じゃあまた電話かけるから』
「ああ、またな」



貴方に会えてよかった

貴方から貰った大切な贈り物
これからもずっと大切にしていこう






―――――あとがき―――――
初孝浩…?
ウサギさんと孝浩の会話になっちゃったよ…
贈り物…
神様がくれたギフト…
最近読んだ漫画にあった一節です
心打たれました




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