無理に気を遣う必要なんてない お互いの嫌なとこなんてとっくに知り尽くしてる ex-girlfriend 秋彦と俺の間には気兼ねなんてない お互いのことを知り尽くしているから なぜなら俺達は幼馴染で アイツは俺に心を開いてくれているから 秋彦は気難しく 人間嫌い それははじめて会ったときから変わってない 秋彦は誰とでも親しくするわけじゃない それを知っているから 誰に対してでもなく優越感に浸る 俺は秋彦の“特別”なのだと そんな秋彦に変化が訪れたのは何時だっただろうか 『大切な友達』 “タカヒロ” 声で分かる “タカヒロ”が秋彦にとって どんな存在か どれ程“タカヒロ”を想っているか どれ程“タカヒロ”を大切にしているか 一瞬で伝わってくる 表面上は繕っても内心は心臓が止まるんじゃないかと思うほど 哀しかった 何年間も俺が抱いてきた気持ちを 秋彦も… 俺じゃない誰かに… その事実は受け入れられなくて でも親友として喜んでやらなくてはいけなくて 『ソレ以上話サナイデクレ』 と何度も心の中で叫んだ 髪を撫でながら 話すお前を見て 胸が押し潰されそうになる “親友”である俺に話しているお前と “想い人”に話されている俺 想いは交わらなくて 伝わらなくて 伝えられなくて お前を誰より理解しているのは俺だ それでもお前が選んだのは俺じゃない 誰か教えて欲しい どうすればこの胸の痛みから 開放される? どうすれば… やめよう こんなことを考えるのは そう、お前のことを一番分かっているのは俺だ それだけは自信がある “タカヒロ”の知らないことでも 俺は知っている 俺だけが知ってる だから だから お前を誰かのものには まださせない ―――――あとがき――――― ヒロさん片思い時代 エゴイストなのに野分の片鱗すら見えないのは何故? ex-girlfriend 平井堅