レッツ・クッキング








「つ…疲れた…」




今日は1コマ目から上條の講義だし、バイトも午後から夕方まであった…





「眠い・・・ちょっとだけ寝ても良いかな」





(30分……30分だけ寝よ)





















(何だ…?焦げた匂い?)




「てか、今何時?!!」
「起きたか」
「へ、ウサギさん?いたんなら起こしてくれればいいのに」
「疲れてたみたいだったから暫く寝かせてやろうと思ってな」
「ありがと、すぐご飯作るからちょっと待ってね」
「もう出来てる」
「え?」






(もう出来てるって…ウサギさんが作ったって事?)
(何か……嬉しいかも)
(ん?でもちょっと待った…じゃあ、この異臭はもしかして……)







「ウサギさん」
「ん?」
「それってもしかして」
「“宇佐見先生特製フワフワオムレツDXU”」






(オムレツ?……卵の色してないよね、コレ。つーか自然界に存在しない色だよ)






いや、別に不味いわけじゃない…
前作ってくれた時も壮絶な色とは反対に結構美味しかった
でも…でも…






(前回以上だろ、明らかに)
(斑色のオムレツなんて聞いたことねーぞ)
(せめてもう少し食べ物らしい色してくれてたほうがいいんだけどな…)









「ねぇウサギさん、今度は一緒に料理作ろうか」
「美咲…」
「あ、別に嫌ならいいんだけど」
「いや、いいんじゃないか
 ……………………………キッチンプレイ」
「…ハイ?」
「そうと決まれば早速買い物だな」
「へ?買い物?つーか何でキッチンプレイに行くのさ!!!」
「馬鹿者!!キッチンプレイといえばエプロンだろうが!」
「だから何で!!」
「今のエプロンはどうも色気がないと前々から思っていたんだ。ちょうどいい機会だから買おう、白のフリフリエプロン」
「絶対嫌だ!!絶対着ないからな」
「美咲、出掛けるぞ!準備しろ」
「イ…イヤだぁぁぁぁ」







忘れてた…
迂闊だった…
分かってたじゃないか、
ちょっと考えれば予想できたことじゃないか…







(もう、ウサギさんはキッチンに入れてやらないッ!)






相手はアノ宇佐見秋彦
ぶっ飛んだ思考回路の持ち主






(兄チャン……大阪に戻りたいです…)




―――――あとがき―――――
宇佐見先生は白のフリフリエプロンがお好きなそうで…
でも純愛ロマンチカでは地味めな茶系のノーマルエプロンでしたね
相川さんの猛反発にあってフリフリエプロンは断念した模様


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