例えるなら、あの夜の青い月の光















　　　　　　　　　ビタースイート















あの夜のことを思い出すと自分でも軽率なことをしたと思う
今まで我慢していた気持ちが行き場をなくして暴走していた








あの夜のお前の切実な思いを、言葉を受け止めることは出来なかった
聞いた瞬間に苦しくて、呼吸もできなかった
おかしくなった俺の心臓








お前を傷つけることを望んでいたわけじゃなかったのに
お前の大切な想いも知っていてもそれを壊したいだなんて思っていなかったのに
お前が望むなら見守ろうと心に決めたはずだったのに
でも、結局壊していたんだ








あの夜の行動を悔やまない日はない
“せめて身体だけでも”と思っていたのが悲しみの始まり








なんてバカバカしいんだろう
勝手にアイツを傷つけたくせに
自分も勝手に傷付いて
男のクセに泣いたりして
女々しくて、バカバカしくて、情けなくて
おかしすぎる








苦くて、苦いだけの想いは何時しか溶けて
どうしようもない想いはゆっくりと消化されていった









誰か、どこかで泣いているあいつを見かけたら
そっと抱いてやって
そいつは自分勝手で世間知らずで価値観が他人とズレまくってて
誰よりも深く愛することの出来る奴だから





―――――あとがき―――――
テスト中に書き上げた作品
因みに宇佐見てんてーverもあります
良ければどうぞ…ビタースイート

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