鋼鉄の鎧を纏ってる
僕のこの心を今すぐ
誰か灼熱の抱擁で
愛撫して溶かして




     朱いオレンジ




俺のこの性格はいつ形成されたんだろう



強がって
人と距離をおいて




甘えることは
出来なくて



甘えることは
恥ずかしい気がして



そうしていつの間にか出来てしまった
心の鎧は
自分が思っているより重い



『自分の殻をブチ壊すのが怖くて
 強がってばかりいる小心者』



篠田さんに言われた言葉が頭をよぎる



その言葉を言われたとき
心の中を読まれた気がして
心臓に突き刺さった




もし


もし自分の気持ちを素直に表現して
相手がそれを受け止めてくれなかったら



拒否されたら
拒絶されたら
俺の心はそれに耐えるだけの強さはあるだろうか




そう考えると何も出来なくなる


甘えることも
縋ることも



ましてやそれが
拒絶した相手が



自分にとって大切な人なら
自分の好きな相手なら



俺はきっと冷静ではいられない
平静を保てない



だから俺は29年間鋼鉄の鎧を
脱ぐことが出来ないままでいた


29年間かけて形成されたものは
そう簡単に変わるわけでもなく
野分の前でも
いまだに素直に甘えられない




「ヒロさん?どうしたんですか、ボーっとして」
「へ、あぁ…何でもない」



……いつか
この鎧が溶けたら



少しは素直になれるだろうか


この高すぎるプライドは少し鳴りを潜めてくれるだろうか



「ヒロ…さん?」
「何だよ」
「いえ、珍しいな、と思って」
「…何がだよ」
「いいえ、なんでもないです」



背中から伝わる
野分の少し高めの体温は
俺の鎧を溶かしてくれるだろうか



「野分」
「はい」




「寒い」



貴方の熱で
温めて


貴方の手で
この鎧を脱がせて



―――――あとがき―――――
…データを保存し忘れて何もかも消し飛んだ
なので書き直したら
違う話に…
不思議だ、同じ人間が書いたのにこんなに違うのは

朱いオレンジ ポルノグラフィティ


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